身内が孤独死したと警察から連絡をもらった 必要な対応や費用などを解説

親族が孤独死したことの連絡を受けたら、悲しみと同時に今後はどういう流れになれば良いのか不安になりますよね。

孤独死の場合、警察での対応もあります。どのように手続きを進めていくのかを知っておくことで、不安を和らげて落ち着いて対処できるでしょう。

今回の記事では、親族が孤独死した場合に警察が対応することや親族が対応すること、またお金まわりについても解説します。

警察から孤独死の連絡を受けても落ち着いて迅速に行動できるように、するべきことを見ていきましょう。

1.孤独死で警察が対応してくれること

孤独死で警察が対応してくれることの説明

孤独死が発見された場合、警察が対応してくれることは以下の4つです。

  • 遺体の引き取り・身元確認
  • 孤独死の現場検証
  • 遺体の検死
  • 死体検案書の発行

警察の対応は、遺体や孤独死した現場を調べ、亡くなった日時や原因を特定し、事件性の有無などを慎重に判断することです。


まずは警察が対応してくれることについて、1つずつ詳しく解説していきます。

(1)遺体の引き取り・身元確認

まずは警察が孤独死した遺体の引き取りを行い、遺体の身元を確認することになります。

亡くなった日時や原因、事件性について調べたり、遺族への連絡を行う必要があるからです。

孤独死の場合、同居する家族がいないので、死亡した人の親や子供、兄弟などから順に訃報の連絡を入れる必要があります。

また、親族へ連絡するにあたって、死亡した人の身元を確認しなければいけません。

自宅にあった身分証明書などによって、警察は故人の身元を確認していくのです。

遺体を引き取り、身元を確認することで、親族へ連絡できるようにしています。

(2)孤独死の現場検証

孤独死していることが分かった場合、警察が孤独死の現場検証を行います。

遺体が自宅で発見された場合、犯罪など事件性があるかどうか一目では分からないからです。

警察が孤独死した現場を検証するため、警察の許可があるまでは、親族でも故人の自宅へ入ることはできません

また、自宅で見つかった現金や身分証、鍵なども警察が管理することになり、一時的に没収されることになります。

故人の自宅や所有物は、事件の証拠となる可能性があるためです。

没収されたと言っても、警察が現場検証や検死を行い、事件性がないと判断すれば返却されます。

孤独死を知って気が動転してしまうでしょうが、落ち着いて警察の対応を待ちましょう。

(3)遺体の検死

孤独死した遺体は、医師や検察官によって検死が行われます。

孤独死した遺体の身元を確認したり、遺体の状態から事件性の有無を判断したりする必要があるためです。

例えば、親族や孤独死の発見者などへ、事情聴取を行うことも検死の一環です。

親族への事情聴取では、連絡を取り合う頻度や最後に会った時期、故人の健康状態など知っているか、などの質問を受けることが多いです。

質問を受けたら、落ち着いて知っている範囲のことを答えましょう。

その他、遺体の外観から不審な点が無ければ、事件ではないと警察が判断し、医師に遺体を引き渡します

引き渡しを受けた医師は遺体を確認し、亡くなった日時や原因について判断しているのです。

なお、事件に巻き込まれた可能性がある場合や、死亡した経緯が判断できない場合は、遺体を解剖して原因を調べる場合があります。

犯罪の可能性がないとすぐに判断できると、半日から数日程度で検死が終了しますが、解剖やDNA鑑定などを行う場合、1か月ほどかかることもあります。

(4)死体検案書の発行

遺体の検死が終われば、死体検案書を発行してくれます。

死体検案書とは、故人の名前や死因、死亡(推定)日時などが書かれた、亡くなった事実を証明する書類です。

受け取った死体検案書は紛失しないように大切に保管しましょう。

遺体を火葬するための「火葬許可証」の発行や、故人の戸籍や住民票を抹消するために必要となるからです。

例えば、故人の住所地の市区町村に死体検案書を提出することで、火葬許可証の発行や戸籍の抹消などを行うことができます。

その他、生命保険の請求や相続の開始などにも必要となることがあります。

死亡後の手続きに必ず必要となりますので、発行された死体検案書を紛失してはいけません。

なお、市区町村役場に提出した死体検案書は返却してもらえませんので、今後の手続きに備えてコピーを取っておくと安心です。

2.警察からの連絡があってから親族が対応すること

警察からの連絡後に親族がすることの説明

警察からの連絡があってから親族が対応することは、次の5点です。

  • 身元確認に警察署へ行く
  • 葬儀の準備
  • 特殊清掃業者の手配
  • 遺体の引き取り
  • 各種手続きを進める

孤独死のあった自宅は、警察が事件性がないと判断するまでは親族でも立ち入ることができませんので、できることから進めていく必要があります。

まず必要なことは、孤独死の連絡を受けた警察署へ出向き、故人の身元確認を行うことです。

事件性がない場合でも警察が調べるため遺体の引き取りまでには時間がかかります。

引取りまでに葬儀の準備や特殊清掃業者の手配をしておきましょう

その後、事件性がないと警察が判断すれば医師の診断を受けたのち遺体を引き取ることができるようになります。

遺体搬送を葬儀社に依頼したり、警察から受け取った死体検案書を持って市区町村役場での手続きを行うことになります。

親族の対応しなければいけないことについて、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

(1)身元確認に警察署へ行く

警察から孤独死の連絡を受けた場合、まずは遺体の身元確認のために警察署へ行かなければなりません

警察署では、孤独死が発見された状態について警察から説明を受けた後、故人との関係性や交流の有無などについて事情を聴かれます。

検死によって亡くなった原因や経緯について警察が調べているからです。

死亡後の手続きを迅速に行うためにも、警察から孤独死の連絡を受ければ早めに身元確認のために警察署へ行きます。

身元確認以外にも故人の親族がしなければいけないことは多くありますので、落ち着いてひとつずつ対応していきましょう。

なお、身元確認のために警察署へ行く場合、印鑑や身分証明書などを持っていってください。

事件性がないと判断された遺体を、警察から引き取るときに印鑑や身分証明書の提示が求められるからです。

(2)葬儀の準備

警察による検死が終了して警察から遺体を引き取るまでに、葬儀の準備をしておきましょう。

孤独死した遺体の葬儀では、まずはお通夜や告別式を行うかどうか、最初に決めておく必要があります

死亡から時間が経過して発見された孤独死の場合、遺体の腐敗が進んでおり、臭いや衛生面からお通夜や告別式を行わずに警察署から直接火葬場へ向かう場合が多いからです。

警察から直接火葬場へ向かう直葬では、お通夜などにかかる費用を抑えることができます。

お通夜や告別式を行う場合、故人の友人や知人が式に参列することができる事がメリットといえるでしょう。

なお、直葬する場合も葬儀を行う場合も、まずは葬儀社を選んで依頼する必要があります。

直葬する場合は、遺体を警察署から火葬場へ運ぶ必要がありますので、搬送日時や利用する火葬場について葬儀社と相談しなければいけません。

火葬場は、故人の住んでいた市区町村で行うことが多いですが、他の市区町村へ遺体を搬送して火葬する場合は、搬送費用が高額になる可能性があります。

葬儀を行う場合は葬儀場や火葬の予約し、親族や友人への連絡を行うなど葬儀の準備をしなければいけません。

葬儀の準備では短期間でたくさん決めることがありますので、葬儀社と十分に打ち合わせしてください。

(3)特殊清掃業者の手配

孤独死があった場合、発見された建物を特殊清掃してもらう業者の手配をしておきましょう。

孤独死の場合、遺体の発見が遅れることで腐敗し、孤独死した部屋は臭いや体液などで汚れていることが多いからです。

特殊清掃では、市販品よりも強力な薬剤を使用して、孤独死のあった部屋の消臭や消毒を行います。

汚れてしまった家具などの処分や原状回復工事などを行ってくれる業者もあるので、部屋の状態に合わせて依頼するといいでしょう。

なお、孤独死があった部屋をそのままにしておいたり、親族が清掃しただけでは近隣へ臭いが漏れてしまう可能性が高いです。

検死が終わり故人の自宅に入れるようになったらすぐに清掃してもらえるように、先に特殊清掃業者を決めておくことをおすすめします。

(4)遺体の引き取り

警察による検死が完了すれば、警察で保管されている遺体を親族が引き取る必要があります。

警察から遺体引き取りの連絡があれば、すぐに葬儀会社へ連絡して遺体の運搬を依頼しましょう。

遺体をそのままにしておくと腐敗が進んでしまうため、火葬や葬儀などを迅速に対応する必要があるからです。

また、検死が終了すれば、警察は故人の自宅の鍵などの貴重品を親族へ返却します。

立ち入り禁止だった孤独死の現場に立ち入る許可が貰えるため、特殊清掃業者に連絡してください

孤独死のあった部屋を汚れたままにしておくと、汚れが落ちにくくなるだけでなく、臭いも強くなってしまうからです。

臭いが原因で近所とのトラブルになる場合や、賃貸住宅の場合では家賃を支払い続けることが親族の経済的な負担になる可能性が高いです。

警察から遺体の引き取りの連絡があれば、すぐに葬儀会社へ遺体の運搬を依頼し、特殊清掃業者にも孤独死現場への立ち入り許可について連絡しておきましょう。

(5)各種手続きを進める

警察から死体検案書や遺体の引き取りを受けた後は、死亡によって生じる各種手続きを進めましょう。

死亡届や火葬だけでなく、故人の年金や健康保険の資格喪失など、死亡によって生じる手続きはたくさんあります。

手続きの期限が決まっているものも多いので、迅速に手続きを進めなければいけません。

例えば、故人の住んでいた市区町村に提出する死亡届は、死亡後7日以内に提出することとなっています。

孤独死の場合、7日を過ぎてしまうことが多いですが、死体検案書を受け取ったら早めに手続きしておくことをおすすめします。

死亡後の手続きについてまとめましたので、手続きの参考としてください。

必要な手続き

手続きの期日

注意しておくこと

死亡届、死体検案書

7日以内

警察から受け取った死体検案書が必要

火葬許可申請書

火葬するまでに

死亡届の提出時にあわせて申請する

年金の受給停止

厚生年金受給者の場合、死後10日以内

国民年金受給者は死後14日以内

死亡届の手続き後に行う

健康保険の資格喪失

14日以内

国民健康保険、後期高齢者医療制度加入者は市区町村で手続きを行う

故人が被用者保険に加入していた場合は故人の職場、扶養家族となっていた場合は家族の職場で手続きする

加入する保険によっては、葬祭費を貰える場合がある

介護保険の資格喪失

14日以内

介護保険保険証の返却

相続

相続放棄する場合と、相続する場合で異なる

相続放棄する場合は家庭裁判所への申し立てが必要

相続する場合は相続税の申告が必要な場合がある

サービスの解約

解約しない限り料金を請求される

新聞や携帯電話、水道や電気などの解約

賃貸住宅の場合は、賃貸契約も忘れずに

死亡保険

保険金を請求できるようになった時から3年間

死亡したことが分かる書類が必要となる

故人の加入する保険やサービス、年齢などによって異なりますので、死後に行う手続きの目安としてください。

3.孤独死の対応でかかる料金相場はどれくらい?

孤独死の対応にかかる費用の説明

孤独死の対応では、警察へ支払う費用や葬儀・清掃にかかる費用もあります。


場合によっては、大きな出費になりえるので、あらかじめ相場感を知っておきましょう。それぞれの費用を詳細に見ていきます。

(1)警察に支払う費用

孤独死した遺体を検死した警察に支払う費用は、解剖がなければ4万円~6万円を目安としてください。

家族が承諾して遺体を解剖した場合、約8万円~12万円ほど多く費用がかかります。

親族が承諾することで行う行政解剖の場合、親族が解剖費用を負担することになるからです。

そのほか、遺体を移動するための搬送料は移動距離によって異なります。

遺体が保管されている警察署から、火葬場や葬儀場が離れている場合、搬送料が多く請求される可能性があるでしょう。

警察に引き取られた遺体にかかる費用は、下記の金額を目安にしてください。

必要な費用

金額の目安

遺体検案料

約2万円~3万円

行政解剖料

約8万円~12万円

死体検案書発行料

約5,000円~1万円

遺体搬送料

約1万2,000円~1万5,000円

(2)葬儀に関する費用

葬儀にかかる費用は、警察から火葬場へ直接搬送する直葬の場合は20万円~30万円程度お通夜や告別式を行う場合は60万円~200万円程度を目安にしましょう。

金額に大きな差があるのは、お通夜や告別式には祭壇費や式場の利用料、お布施や飲食費用などが必要になるからです。

一方、直葬に必要となる費用は、遺体の搬送費用や火葬費用、葬儀社の手続き代行料などが挙げられます。

なお、孤独死の場合、故人と親族が遠縁であったり、遺体の腐敗が進んでいたりするので、直葬を選ぶ場合が多いといえます。

また、告別式などを行う場合でも、遺体の状態などから告別式の前に火葬する「骨葬」を選ぶ親族も多いです。

葬儀方法によって費用は大きく異なりますが、直葬で20万円~30万円、葬儀を行う場合は60万円~200万円を目安にするといいでしょう。

(3)特殊清掃に関する費用

孤独死現場の特殊清掃に関する費用は、約10万円~100万円が相場です。

発見が早く臭いが少ない現場と、発見が遅く臭いや汚れが酷い現場では、清掃や消臭の処理が異なり、費用に大きな差が生まれると言えます。

例えば、臭いが強い現場では、オゾン脱臭器で腐敗臭などを徹底的に脱臭しているので費用が高くなるケースが多いです。

これから、臭いが少ない現場と、臭いや汚れが酷い現場について、料金の目安を紹介していきます。


臭い等が少ない現場の場合、下記の表を目安としてください。

内訳

費用目安

床上の特殊清掃

1K~1R 78,000円~280,400円

1DK~3LDK 135,000円~482,000円

4DK 245,000円~690,000円

消臭剤、除菌剤の散布

16,700円~

汚物撤去

20,000円~

作業員の人件費

20,000円~

臭いや汚れが酷い現場の場合、下記の表を目安としてください。

内訳

費用目安

床の特殊清掃

1K~1R 78,000円~280,400円

1DK~3LDK 135,000円~482,000円

4DK 245,000円~690,000円

消臭剤、除菌剤の散布

16,700円~

浴室清掃

30,000円~

汚れた畳の撤去

1枚あたり5,000円~

張り替えの場合8,000円~12,000円程度

害虫駆除

10,000円~

汚物撤去

20,000円~

体液や血液の清掃

49,960円~98,000円

オゾン脱臭

1日あたり49,800円~

フローリング、壁紙の張り替えなどリフォーム工事

フローリング張り替え:1㎡あたり3,000円~

壁紙張り替え:1㎡あたり1,000円~

特殊清掃費用は、遺体の発見状況や間取り、希望によって料金が変わります。

孤独死現場をそのままにしておくと、臭いや害虫が発生する原因となるので、早めに特殊清掃業者を決めておくことをおすすめします。

4.孤独死現場の清掃は出来るだけ早く特殊清掃業者に依頼しましょう

孤独死現場の清掃は出来るだけ早く特殊清掃業者に依頼しましょう

孤独死現場の清掃は、出来るだけ早く特殊清掃業者に頼むようにしてください。

依頼を先延ばしにしてしまうと、現場の汚れ・悪臭が広がったり害虫が発生するため、最終的な清掃費用が高くなってしまうからです。

相談する特殊清掃業者は、出来るだけ実績が豊富で見積もりが丁寧な業者を選ぶようにしましょう。

そうすることで、不当に高い金額を請求される可能性を低くしながら、しっかりと作業をしてくれる業者を選べるのです。

特殊清掃業者の選び方については、以下の記事でより詳しくまとめているので併せてご確認ください。

特殊清掃業者を選ぶときの3つのポイントとは? 注意点とメリットも紹介!

5.孤独死現場の特殊清掃業者に何をしてもらえるか

孤独死清掃で特殊清掃業者にしてもらえること5つの説明

孤独死現場で特殊清掃業者にしてもらえることは、次の5つです。

  • 近隣住民への挨拶と説明
  • 汚染物質の除去
  • 部屋の清掃
  • 原状回復工事
  • 完全脱臭

孤独死の連絡を受けたら、早めに特殊清掃業者を選定しておきましょう。

孤独死があった現場は、遺体の腐敗による臭いや害虫、体液などが染み出した汚れなどによって、親族や大家が立ち入り清掃するのが難しい環境です。

また、自分で掃除や防臭をしても、完全に臭いを除去することができず、近隣住民とのトラブルに繋がるかもしれません。

親族の人は、火葬や葬儀の準備もありますので、任せられることは特殊清掃業者に依頼することをおすすめします。

(1)近隣住民への挨拶と説明

一般的な特殊清掃業者は、清掃前に近隣住民への挨拶と説明を行ってくれます。

発見が遅れた孤独死現場では、遺体の腐敗によって臭いや害虫が発生し、近隣住民が不安を感じているからです。

例えば、近隣住民が気になる臭い漏れについても、丁寧に説明を行うことでトラブルを回避し、臭いが漏れないように適切に清掃してくれます

また、特殊清掃業者はプロですので、孤独死した現場の対応や近隣住民への説明にも慣れているので安心して任せることができるでしょう。

特殊清掃業者は、親族の希望に寄り添いながら、十分に近隣住民への説明を行ってくれます。

(2)汚染物質の除去

特殊清掃にあたって、まずは汚染物質の除去を行います。

孤独死した遺体の下や近くには、血液や体液が付着して強い臭いや汚れが生じているからです。

汚染物質を消毒したあと、外部に臭いが漏れないように汚染物質を密閉して梱包したうえで搬出してくれます

その他、遺体の腐敗によって生じた害虫を清掃時に駆除してもらえるので安心です。

汚染物質の除去が不十分だと、臭いが残ってしまう原因になるので、プロである特殊清掃業者にお任せすることをおすすめします。

(3)部屋の清掃

孤独死した部屋の清掃を行います。

警察が現場検証したり、引き取った遺体を火葬した後でも、孤独死が起こった部屋は孤独死発見時の状態のままであるからです。

孤独死現場では、物やゴミが溢れている場合が多く、臭いや汚れがしみこんだ家財を処分したり、染みついた体液や血液の除去を行います。

孤独死のあった現場には、遺体の腐敗から細菌が発生しているケースも多いため、除菌も行ってくれます。

特殊清掃業者が遺品整理サービスも対応してくれる場合は、部屋の清掃と同時に遺品整理を行ってもらうこともできるので検討してみるのもいいでしょう。

(4)原状回復工事

血液や体液が床や壁に染みこんでしまっている場合、原状回復工事を行います

賃貸物件では、孤独死のあった現場は事故物件と扱われ、次の人に貸し出す前に以前の状態にできるだけ近づける必要があるからです。

例えば、床材や壁紙が汚損している場合、一旦除去して新しい床材や壁紙を設置することで原状回復することができるでしょう。

また、浴槽や洗い場で遺体が発見された場合、汚れが染みついている可能性があります。

汚れを流すと臭いが外に漏れてしまうので、手作業で取り除いた後に浴槽や排水溝の交換を行うことで現状回復しているのです。

費用は大きくなりますが、現場が賃貸物件の場合や、建物の売却を考えている場合、原状回復工事は必須と言えます。

(5)完全脱臭

特殊清掃業者は、孤独死のあった現場の完全脱臭を行います

孤独死によって発生する死臭は臭いが非常に強く、完全に臭いを消しておかないと近隣住民とのトラブルになってしまうからです。

まずは市販品より強力な薬剤を細かな粒子にして、部屋の隅々まで散布することで消臭を行います。

臭いが酷くない場合は、消臭剤の散布によって消臭を完了できる場合が多いといえるでしょう。

しかし、発見が遅く遺体の腐敗が進んでいた場合、十分に消臭するためにオゾン脱臭器を使います。

オゾン自体は危険な物質であるため、特殊清掃業者などの専門家によって安全に配慮しながら作業する必要があるのです。

特殊清掃業者ならではの知識や経験、技術を最大限に利用して、孤独死現場の完全脱臭に努めています。

業者は選び方を知らなければ悪徳業者に頼んでしまうこともあります。

以下の記事で、失敗しない業者の選び方について紹介しているので併せてご確認ください。

遺品整理業者の選び方は〇〇が重要!悪徳業者に騙されない心得をお教えします

6.特殊清掃業者に依頼する際の3つの注意点

特殊清掃業者に依頼する際の注意点の説明

特殊清掃業者に依頼する際の注意点を3つお伝えします。

  • 特殊清掃の技術を持った業者に依頼する
  • 相見積もりを行う
  • 見積もり時の対応も見ておく

特殊清掃業者のなかには、特殊清掃の技術が不十分な業者や、近隣住民への配慮ができない業者もいるため、上記の3点を注意して信頼できる特殊清掃業者に依頼しましょう。

特に、腐敗臭の消臭が不十分であり何度も消臭が必要になってしまった場合や、見積金額より不当に追加請求された場合などがあります。

故人の親族や賃貸物件の大家は、孤独死が発生したことに不安や戸惑いを感じています。

不安に寄り添いながらも、確かな技術で丁寧に対応してくれる特殊清掃業者に依頼するようにしましょう。

(1)特殊清掃の技術を持った業者に依頼する

特殊清掃業者に依頼する場合、特殊清掃の技術を持った業者を選びましょう。

業者の中には、孤独死現場のゴミの片付けはできても、消臭や除菌などの特殊清掃はできない業者もいるからです。

また、特殊清掃の技術が未熟な業者では、臭いが除去しきれず別の業者に依頼しなければいけない危険性も考えられます。

ホームページなどで孤独死現場の特殊清掃の実績があるかどうか確認しておきましょう。

ホームページで特殊清掃の前後を紹介している業者や、防護服をしっかりと着て特殊清掃を行うなどプロとしての意識と経験がある業者を選んでください。

(2)相見積もりを行う

特殊清掃業者に依頼するときは、複数の業者から相見積もりを行うことをおすすめします。

孤独死現場の特殊清掃では、現場ごとに状況や費用が異なり、相場観が分かりづらいからです。

複数の業者から見積もりをとることで、費用相場を知ることができ、業者の特殊清掃の実績をみることができるでしょう。

なお、現地での見積もりを行わない業者や、詳細な見積書を出さない業者には注意してください。

不当に追加料金を請求される可能性が考えられます。

依頼するにあたっては、見積額や実績を見たり、見積もりした内容が明瞭であるか確認することで、特殊清掃を安心して任せることができる業者を見極める必要があります。

(3)見積もり時の対応も見ておく

特殊清掃業者に依頼する時には、見積もり時の対応を見ておきましょう。

見積もり時の対応が不適切な業者は、信頼できる業者といえないからです。

見積もり時の挨拶など基本的なことができているかどうかはもちろん、見積もりへの質問に丁寧に回答しているかどうかも見ておきましょう。

見積もり後も担当者とは何度も連絡をとることになるので、話しやすいか、問い合わせへの返答が迅速かどうかなども大切です。

孤独死現場の清掃では、近隣住民への配慮や依頼者への気配りが重要と言えます。

見積もり時の対応を見ておくことで、信頼できる業者かどうか見極めましょう。

7.【地域別】おすすめの特殊清掃業者9選!

【地域別】おすすめの特殊清掃業者9選!

さっそくですが、オススメの業者をエリアごとに紹介します。

  • 【関東・甲信越エリア】ブルークリーン
  • 【関西エリア】エンディール
  • 【九州エリア】特殊清掃プロスト
  • 【東北エリア】クヨカサービス
  • 【東海エリア】マルトニ
  • 【中国エリア】こころテラス
  • 【四国エリア】株式会社クリーンフォレスト
  • 【北陸エリア】株式会社北陸遺品整理
  • 【北海道エリア】株式会社ピースクリーン

【関東・甲信越エリア】ブルークリーン

ブルークリーン

関東・甲信越エリアは、ブルークリーンがおすすめです。

ブルークリーンは24時間365日対応していて、スケジュールが合えば即日作業をしてもらえます。

見積もりもわかりやすく、業務内容と料金を依頼者といっしょに確認するので、あとから追加料金を取られるようなトラブルはありません

どんな部屋であっても相談を受け付けており、依頼者から「どんなことに悩んでいるのか?」しっかりと聞き出した上で解決策を提案してくれます。

また、口コミも「素早く対応してくれた」「スタッフの対応が親切だった」と良い評価を受けており、安心して作業を任せられるでしょう。

ホームページでは実際の施工事例も紹介しているので、併せて確認してみてください。

特殊清掃の他にも以下のような作業にも対応しています。

  • 遺品整理
  • 賃貸物件などの原状回復工事
  • ゴミ屋敷の掃除
  • 消臭・脱臭の処理
  • 不動産処分のご相談

連絡先などの会社概要は、以下の通りです。

  • 会社名:ブルークリーン株式会社
  • 所在地:〒144-0047 東京都大田区萩中1-6-10フェニックス糀谷1F
  • 対応エリア:東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬・栃木・茨城
  • 受付時間:年中無休
  • 電話番号:0066-9801-0500889
  • 会社詳細ページ:https://www.recovery-aoao.jp/partners/890

【関西エリア】エンディール

関西エリアでおすすめなのは、エンディールです。

エンディールを利用した人からは、かなり高い評価を受けています。

とくにスタッフの対応がかなり好評で、「やさしく暖かいスタッフに対応してもらった」という声が多いようです。

エンディールは24時間365日いつでも相談を受け付けています。

見積もりも無料で出してもらえるので、関西エリアの方は、まず相談してみてください。

  • 会社名:エンディール
  • 所在地:〒540-0035 大阪府大阪市中央区釣鐘町1-5-9-504
  • 対応エリア:大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県
  • 受付時間:8:00~20:00 年中無休
  • 電話番号:0120-77-2345
  • 会社詳細ページ:https://endeal.net/

【九州エリア】特殊清掃プロスト

九州では、特製清掃プロストがおすすめです。

プロストは即対応を基本としており、24時間受け付けしております

依頼後はすぐにスタッフが駆けつけてくれて、現場w確認してから見積もりを出してくれます。

場合によってはすぐに清掃してくれるので、早めにやってもらいたいなら相談してみてください。

迅速に対応してくれるプロストが、九州ではオススメの業者です。

  • 会社名:PROST(プロスト)
  • 所在地:〒811-2113 福岡県粕屋郡須恵町大字須恵1066-8
  • 対応エリア:福岡県・佐賀県・大分県・長崎県・熊本県・宮崎県・鹿児島県
  • 受付時間:年中無休
  • 電話番号:0120-947-048
  • 会社詳細ページ:https://prost-japan.com/

【東北エリア】クヨカサービス

東北エリアであれば、クヨカサービスがおすすめです。

クヨカサービスは現地の状況を調査してから、細かい見積もりを出してくれるので、作業が終わってから追加料金が発生することはありません

見積もりが細かいので、金額に対して安心感を感じた利用者が多いようです。

クヨカサービスは利用者へのアンケートを参考にして常に業務改善に勤めている業者なので、安心して利用できるでしょう。

  • 会社名:クヨカサービス
  • 所在地:〒984-0831 宮城県仙台市若林区沖野2丁目10-64
  • 対応エリア:宮城県、福島県、岩手県、山県県の一部エリア
  • 受付時間:9:00~20:00 年中無休
  • 電話番号:0120-505-777
  • 会社詳細ページ:https://cyoka-s.com/

【東海エリア】マルトニ

東海エリアであれば、マルトニがおすすめです。

マルトニでは「何が必要でどう対処していくのが良いか」を、丁寧なヒアリングを元に提案してくれますよ。

見積もりの段階で作業内容をわかりやすく説明してくれます。

見積内容は細かく設定されており、後から追加料金が発生することはありません

丁寧でわかりやすいマルトニが東海エリアでおすすめです。

  • 会社名:マルトニ
  • 所在地:〒455-0884 愛知県名古屋市港区七反野1丁目2202
  • 対応エリア:愛知県・岐阜県・三重県・静岡県の一部・滋賀県の一部
  • 受付時間:年中無休
  • 電話番号:0120-59-0102
  • 会社詳細ページ:https://www.marutoni.com/

【中国エリア】こころテラス

中国エリアでおすすめなのがこころテラスです。

こころテラスでは、現地の状況を確認してからしっかりとヒアリングしたうえで見積もりを出してくれます。

細かくきっちりと見積もりを出してもらえるので、後から追加料金が発生することはありません。

作業が始まってからやって欲しいことを追加しても、対応してくれますよ。

こころテラスのLINEアカウントを友だち登録しておけば、写真を送るだけで見積もりを出してくれます

LINEで簡単に見積もりを出してもらえる、こころテラスが中国エリアではオススメの業者です。

  • 会社名:こころテラス
  • 所在地:〒731-5127 広島県広島市佐伯区五日市5-7-13
  • 対応エリア:広島県・山口県・岡山県・鳥取県・島根県
  • 受付時間:24時間 年中無休
  • 電話番号:0120-927-383
  • 会社詳細ページ:https://www.cleaning-business.jp/

【四国エリア】株式会社クリーンフォレスト

四国エリアでは、株式会社クリーンフォレストがおすすめです。

問い合わせ後に、無料で訪問してから見積もりを出してもらえます。

細かく見積もりを出してくれるのでわかりやすく、後から追加料金が発生することはありません。

脱臭マイスターという、一般社団法人日本除菌脱臭サービス協会が定めた厳しい基準をクリアした人だけが持てる資格を所有したスタッフが在籍しています。

脱臭に関して強い業者と言えるでしょう。

  • 会社名:株式会社クリーンフォレスト
  • 所在地:〒799-0103 愛媛県四国中央市川之江町余木569番地
  • 対応エリア:愛媛県・香川県・徳島県・高知県
  • 受付時間:8:00~20:00 年中無休
  • 電話番号:0120-600-115
  • 会社詳細ページ:https://cleanforest.net/

【北陸エリア】株式会社北陸遺品整理

北陸エリアであれば、株式会社北陸遺品整理がおすすめです。

24時間365日対応してくれています。

北陸遺品整理では、スマホで撮影した写真をホームページから送れば、写真を元に見積もりを出してくれます

時間に余裕がなく忙しい人でも、気軽に利用できる業者です。

  • 会社名:株式会社北陸遺品整理
  • 所在地:〒910-0125 福井県福井市石盛1丁目509番地
  • 対応エリア:福井県
  • 受付時間:8:00~20:00 年中無休
  • 電話番号:0776-76-3268
  • 会社詳細ページ:https://hokuriku-ihin.com/

【北海道エリア】株式会社ピースクリーン

北海道エリアでおすすめの業者は、株式会社ピースクリーンです。

リーズナブルな料金で、丁寧かつ素早く作業してくれます。

作業のすべてをピースクリーンのスタッフが行うためコストが抑えられており、費用が安く設定されていますよ

スタッフの大半が清掃に関しての有資格者なので、迅速にしっかりとした作業できれいにしてくれます。

安くて確実な清掃を行ってくれる、ピースクリーンが北海道エリアではおすすめです。

  • 会社名:株式会社ピースクリーン
  • 所在地:〒065-0026 北海道札幌市東区北26条東7丁目3-12
  • 対応エリア:北海道(一部エリアを除く)
  • 受付時間:8:00~17:00 (日曜日定休)
  • 電話番号:011-712-0090
  • 会社詳細ページ:https://peaceclean.net/

まとめ

今回の記事では、警察から孤独死の連絡を受けた場合の流れについてお伝えしました。

警察から連絡を受けたら、まずは連絡を受けた警察署へ向かい、身元確認を受けましょう。

事件性がないと警察が判断するまでは、自宅に入ることができないので、葬儀の準備や特殊清掃業者の手配を先に行います。

警察から遺体を引き取ったら、死体検案書を持って市区町村で手続きしたり火葬や葬儀を行ったりします。

孤独死のあった現場は腐敗臭や体液などの汚れが染み出ているため、素人が掃除することは難しいです。

特殊清掃業者は孤独死現場の消臭や清掃、原状回復工事などをしてくれるので、早めに依頼しましょう

業者を選ぶときは、特殊清掃の実績が豊富であるか、防護服を着用しているかなどを確認してください。

また、相見積もりを行うことで、業者の対応や見積金額を比較し信頼できる業者を選びましょう。

【関連記事】アパートで身寄りのない人が死亡したら?手続きと対処法を紹介

監修者鈴木 亮太(すーさん)

経歴
公益社団法人日本ペストコントロール協会 ペストコントロール技能師
3,000件以上の孤独死案件に携わる
▶メディア出演
・「ABEMA 変わる報道番組 #アベプラ【公式】」ABEMA
・「田村淳の地上波ではダメ!絶対!」BSスカパー
日刊SPA!
bizSPA!フレッシュ
・「Channel恐怖」Aamzon prime video

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